設立趣意書

当連合会は、1987年(昭和62年)に開設されました。
この年は国鉄民営化によるJRの誕生やNTTの携帯電話の販売開始等、企業やビジネスの在り方が大きな変化を迎え始めた時代でした。
また、労働基準法の改正により、法定労働時間の目標が週40時間に設定されるなど、今でいうワークライフバランスの在り方について見直しが始まった時期でもあります。
こうした企業の環境変化や、個々人の働き方の変化が始まった時代に、我々JADはスタート致しました。

当時の設立趣意書は、こうした背景を受け、時代の変化に適応するための産業人の能力開発・生涯学習を推進していく存在であろうとする想いを強く述べています。

全国産業人能力開発団体連合会 設立趣意書

今日、我が国は、ME化を中心とする技術革新の進展、経済のサービス化・ソフト化、人口の高齢化、高学歴化、経済活動の国際化など、国の内外にわたる経済社会の大きくかつ急激な変化にさらされています。
こうした経済社会の変化は、我が国の産業構造および就業構造に大きな影響をおよぼしており、今後21世紀に向けて、ますます加速される事が予想されます。

このような変化の変化において、産業人に求められる能力は、高度化・専門化するとともに、豊かな適応力も要請されており、こうした要請に応じるために、産業人の職業生涯にわたり、段階的かつ体系的に能力開発を行っていくことが求められるなかで、企業における人材開発、個人の自己啓発の気運もこれまでにない高まりを見せているところであります。
こうした中で、産業人の能力開発を実践していく団体の使命は極めて重要なものとなっています。

我々は、産業人の能力開発の意義と産業人に能力開発の機会を提供していく団体の使命を深く自覚し、能力開発団体として健全な活動に努めるとともに、広く企業及び個々の産業人に適切な講座等を提供することにより、我が国における産業人の能力開発を促進し、もって、生涯職業能力開発を推進するという重大かつ公益目的にかなう責務を果たすべく、ここに志を同じくする団体が結束し、本会を設立するものであります。

関係者の深い御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

※ME化・・・MEはMicroerectronics の略。コンピューターやニューメディアを中心として、多量の情報が複雑に行き交うようになることを指す。

【JAD発足の様子を伝える会報から(昭和63年発行)】