次に、私が何か物事を決断する、といっても仕事自体での具体の決断ではなくて、個人的に重要なことを決断するときの「思考の枠組」「意思決定の枠組」は何かを考えました。単純化すると、私は、「主観」と「客観」に分けて、最後はそれを総合して判断して決めていました。その折り合いをどうつけるかが難しい、というのが自分にとっての問題意識です。
私にとって、特に大事なのは「主観」的な判断です。「主観」的な部分の判断基準、人によって、かなり違うと思いますが、私にとっての決定的な要素は「好きか、嫌いか」でした。
ただ、これだけだと、まだ、最後のピースが埋まっていないと感じました。何だろう?と悩んで、昨日の通勤途中にふと思いつきました。主観部分での好き嫌いは、確かに自分で決める時の大きな基準ですが、それには、さらに根拠があるはず。それはおそらく、自分の持って生まれた「性格」なんじゃないかということです。
私達、普段は自然体で生きています。自分の判断の根っこにある性格のことは考えませんが、この部分に触れないと、どうも、今日の講演では「共通の前提」をお話ししたことにはならないようなのです。
通常、公務員は、講演では仕事の話をします。お話しする皆さん方とは「仕事」という共通点があります。「仕事」の話なので、自分語りはしません。しかし、今回は「自分語り」がテーマと、役人的には掟破りな話です。ただ、芸能人のような有名人ではない私は、根っこの「性格」を語らねば、前に進めなかったわけであります。
そして、最後のピースとして、性格分析の手段である「エゴグラム」が、はまりました。朝の満員の通勤電車で、気分が「すっきり」した瞬間でした。これで、今日の本番、漸く話ができる目処が見えてきた!と思いました。
今日の私の話は「ケーススタディー」です。ある特定の性格を持った人物(私)が、どのようなキャリア形成をし、今に至るのかを、1つのケーススタディーとして皆さんにお示しします。私と同じタイプの方は、身近な経験として理解できるはずですし、異なるタイプの方は、性格分析を通じて、ご自分のことを考える参考に出来るのではないか。そう納得でき、気持ちが楽になりました。
まず、私の「意思決定」の仕方、この20年以上自分自身を観察し、最近分かったのですが、
① まず、客観的、論理的に、ある程度、「納得感」が得られるまで徹底して考えて、一定の比較的「客観的」な「結論」「方向性」を出す。
② 次に、実際に、どのように行動するかは、その客観的な「結論」が、主観的に考えて、要は、自分にとって「好きなことか」「気持ちよく感じられるか」どうかで決定する。
というプロセスをたどっていました。この補足説明資料にもある通り、「客観的、論理的に考え、主観的(情熱的)に決定」してきたのでした。
論理的な「結論」と「好き」あるいは「気持ちいい」が違う場合は、余程、悪い判断と感じられない限りは、私は、後者を「好きな方」を選びます。そして、この「意思決定」の仕方が、がエゴグラムの分析に、ぴったし当てはまるのです。
自分のキャリア、自分で考えて苦労して、決めてきたつもりでした。しかし、改めてエゴグラム分析結果を自分の行動に当てはめてみたら、エゴグラム分析で示された「個性」で、相当部分が説明できるのです。
ちょっと気持ち悪い「感覚」です。自分自身が決めたと思っていたが、「個性(性格)」から自動的に決まった結果にしか見えないと言う「他律感」、「あれ、自分は、自分の人生の主役ではなかったのかも?」という違和感です。実は、今日は、そんな気持ちを持ちながら、この場に立っているところです。