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教育事業者へのナレッジ

講演録【キャリアコンサルタント&資格取得者】|JAD

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資格を活かした私らしいキャリアの築き方



講師: Career Park(キャリア・パーク) 根本 暁美様
座談会登壇者:デコアーティスト 齋藤 様
       インテリアコーディネーター 中村 様
               メディカルクラーク(医療事務) 鹿島 様
(2018年4月掲載)

平成29年10月27日(金)、東京都主催による「東京ウィメンズプラザフォーラム」にて、セミナー「資格を活かした私らしいキャリアの築き方 」を開催しました。 前半はキャリアコンサルタントであるCareer Park(キャリア・パーク)の根本 暁美様に、ご講演頂きました。 後半は根本様を進行役に、齋藤様、 中村 様、鹿島 様と座談会を行いました。

 

女性の職域拡大に取り組んだ民間企業時代

働く女性、キャリアに悩む女性を対象とした内容のお話をさせて頂きます。まず最初に簡単に自己紹介をさせて頂きます。

大学を卒業後、民間企業に就職しました。平成の始めの頃です。私の入社した組織には、若い社員、女性がほとんどいませんでした。そして特に女性は、ごく僅かでした。そのような組織で、人事、営業、財務、マネジメントに従事して来ました。入社したのは、鉄道会社でしたが、今でこそ女性が駅で働いていたり、運転士が女性というのは当たり前の時代となっています。しかし当時はほとんどが男性でした。会社の人口構成図がいびつな状況になっており私自身も担当として女性の職域拡大に力を入れて取り組みました。男性の車内アナウンスも良いのですが、女性の声を聞いたほうが特に通勤時間帯は多少は癒されるのではないかといまでも思っています。

2005年にJCDA認定の、CDA(キャリア・ディベロップメントアドバイザー)の資格をとりその後、2級キャリアコンサルティング技能士の資格を取得、キャリアコンサルタントとして約12年間活動しています。仕事は、キャリア開発、人材育成、組織開発等、組織や働く方々、学生の方々のサポートを行っています。先程、申し上げたような男性が多い組織で仕事をすることを、周囲は「なぜそんなところに入ったの?」とか、「女性がそんなに少ないと働いていて、嫌にならなかったの?」と当時言われたことを記憶しています。キャリア支援という現在の仕事をするようになり気がついたのですが、私が働くうえで、大事にしたい価値観は「変える」「変革する」ということです。ですから周囲から「あんなに大変そうな組織で働かなくても」と言われても、私にとってはとても遣り甲斐を感じるフィールドでした。それがキャリアアンカーとなっていたのではないかと今になって再認識しています。

働く女性を取り巻く環境の変化

本日は、短い時間ですが単に女性とひとくくりせずにライフキャリアを考える時間にさせていただきたいと思います。女性はライフイベントがありトランジション(ある状態からある状態に変わるとき)に、男性もそうかもしれないですがなんとなくもやもやしたり不安になったり人によっては、寂しさ、不満といったものが起こりやすいと思います。トランジションにおける選択をぜひ肯定的な視点でとらえられるようなことをお伝え出来ればと思っています。

まず、働く女性を取り巻く環境の変化です。労働力が減っていくというのは日々報道で言われているところです。2025年、オリンピックが終わり、今から8年後、65歳以上の人が人口の3割以上を占めると言われています。労働力は約600万人が不足する。ぞっとする数字です。それもあり、AIの活用、定年延長などシニアの方を積極的に活用する取組がされています。そして、昨年の春、女性活躍推進法が開始するということで、色々な取り組みがされているのではないでしょうか。女性の活用をするのは、補完的なものではなくて、女性ならではの視点や発想を経営の軸とし、ダイバーシティとして取り組まれています。女性管理職が多い会社の業績は、データを拝見していても非常に伸びているというのは結果として出ています。男性しかいない組織は、存続が危ういのではないかと言う方もいます。今や、非常に女性の活躍が期待される時代となっています。ハード面では、託児所やベビーシッター制度等の整備を皆様の企業でもされていると思います。ソフト面の社内制度では、キャリアパスを柔軟にしているのが業界もあります。入社時は転勤があるかないかで決め入社7年目くらい、30歳手前くらいになると、ある方は昇進が見えたり、ある方は結婚が見えたり、ある方は出産を迎えるという一回目のライフイベントが起こりやすい。そういった年齢のときにもう一回、転勤するのか転勤がないほうがよいのか?キャリアパスを柔軟に変更できるような取り組みをなさっているそうです。

女性を取り巻く環境が変わってきている今だからこそ改めてキャリアについて考えることをオススメしたいと思うのですが、日頃企業で社員の方の面談をさせていただいています。やはりというか、まだまだキャリアという言葉がその方のいらっしゃる環境や年齢でとらえ方がまちまちだと感じています。50代くらいのビジネスパーソンの方とお会いしお話を伺うと「キャリア支援は出世の支援なのか?転職の支援なのか?」と言われることもあります。一方で若い方は、キャリアデザインについては比較的、ご存知のような印象です。

キャリアを考える機会を持つこと

改めてですがキャリアという言葉の語源は、轍。馬車の車輪が通ったあとと言われています。今まで自分が歩んできた過去の足跡やこれからどこに向かおうかと将来のことも含めてキャリアをとらえていただけると良いのかと思います。昨今色々なことが起こるので、過去の経験だけで将来を選ぶのが難しい時代ではあります。そうは言っても自分が過去何をしてきたか、何を選んできたのかはこれから生きていくヒントとなり得ることではないかと思います。どうしてもキャリアというと、仕事と捉えてしまう傾向が強いです。皆さんどうでしょうか。昔と違って、生活で起きることが、仕事に影響を及ぼさない方が少なくないですか。若い世代は、ダブルインカムも多く仕事も生活も含めた、広い意味でキャリアをライフキャリアとして捉えていると言えるのではないでしょうか。昨年、女性活躍推進法と同時に職業能力開発推進法の改正がありましたので、ぜひ法律や社内の制度だけではなく自分のキャリア、社内であれば社員のキャリアを考える場もセットする取り組みが必要になると思っています。例えば、ライフイベントとして、結婚、出産、育児等があります。私の場合、両親とも健在なので、介護までは行かずとも親からの頼まれごとで呼び出されることが非常に増えています。時間の配分を考え直すタイミングに来たのかなと思ったりします。結婚して「妻」、出産して「母」という役割だけでなくて、以前の役割だった「娘」という役割を再度とる。そういったことが出てくるようになってくるのではないかと思います。
ただやはり仕事や生活は日々のことなので、忙しい忙しいとイライラかりかりします。面談でも似たようなケースをお聴きします。「このままの状況をほおっておくともう私、無理かもしれません。しんどいです。」という内容です。何のために自分はこの生活をしているのか、何のためにこの仕事をしているのか、一度立ち止まってそこを客観的にみる時間を意図的に持っていかないと流されて疲弊してしまいます。

ですので、ぜひ月に1回でも半年に1回でも良いので、ソロタイムといいますか、自分のためだけの時間、自分のキャリアを考える機会を意図的にもつことをぜひ、オススメさせていただきたいと思います。

選択する時は自分の納得感を持つこと

ワークライフバランスという言葉が、色々なところで皆さんもお耳にされているとは思います。私はワークライフバランスというとおやおやと眉間にしわがよってしまいます。なんとなくバランスというとトレードオフするような印象を受けてしまうからです。
きっとライフキャリアであっても、ワークキャリアであっても、自分にとってはすごく大事なものと思っている方が多いのではないかと思います。ただ、選択しなければいけない時、何か新しい所へ行く時、新しい段階に行くという時は何かを手放さないといけないのが事実なのかと思います。
そこで必要になってくるのが選択をする際の自分の納得感です。例えば育児休暇をとる、時短を選ぶとか。何か役割としては果たせないとか失うような事はあるかもしませんが、その分、家族や子どもといる時間を増やすという獲得できるものもあるので、そこに自分がきちっとマインドセットをして、納得感を持つ、そのようなことが大事だと思います。
こういった今の積み重ねがキャリアと呼べるのではないでしょうか。毎日、選んで決めて選んで決めて、その繰り返しなんですよね。決断ですね。良い、悪いとか損する得するとか判断ではなくて、先ほど納得感が必要だと申し上げたのですが、そういった決断をしていく、その積み重ねがキャリアではないのかなと思います。転機というともやもやっと人によっては寂しさも感じるような機会という捉え方もあるのですが、もしかしたらそこで訪れた転機は、「これは絶対に手放したくないとか、私はこれを大事に働き生きていきたい」とかそういったことと向き合うことが出来る機会と言えるのではないかと思います。ですので、こんな風になったらいいなというようなマイルストーンを一度おかれてみるとよろしいのかなと思います。きちっきちとプランニングしたものではなくて、こんな状態だったらいいなというそういったものを一度、おかれたらいいと思います。
どこに自分がマイルストーンを置きたいのか、自分が何を大事にしたいのか、自分を知ること、自己理解が必要だと思います。自分が夢中になれることとか、自分のパーソナリティ、スキルも含めたできること、そして、価値観、自分が大事にしたいこと、そういったものの自己理解をして自分のありたい姿をマイルストーンとしてあればいい。かっちりとしたものではなくて、1つは、ハイドリームとしてこんな風になってたら良いなと思う自分。そして、ハイドリームの反対側にこんな風な自分になったら残念だというロードリームという言葉があります。ハイドリーム、ロードリームというのを一度イメージしていただくと、決して今はロードリームの状態にはいないということやありたい自分に向かう立ち位置を確認できるのではないかなと思います。個人のキャリアにおいても、ありたい自分、こうなったら残念な自分、そんな所を描いてどこに向かって、どこにいるのかなとその辺の立ち位置の確認に使えたりするものじゃないかと思いますので、オススメをさせていただきたいです。そうは言っても、働いたり家族と過ごしていたら色んな事が起きます。いくら、ハイドリームを描いていてもなかなかそうはいかないと思います。想定に捕らわれないということももっておくといいです。むしろ、想定外が自分たちのキャリアにはつきものだとも思います。ちょっとでも何かそれると失敗をしてしまったのではないか、自分のハイドリームには到達できないのではないかとつい感じてしまこともあると思うのです。このあたりは柔軟にとらえていただければと思います。そうは言っても、流されっぱなしでいいということではありません。大きな波が来た時に自分が手放したくないものは何かを持ったうえで自分のキャリアに主体的に関わっていくこと、想定に捕らわれないということとは反することではありますが、必要なことだと思います。

今までのやり方では、乗り越えられないこともある

もう一点伝えたいことは、例えば、働く人、妻、母、上司など、どんどん役割が変わったり、増えてくると、今までのやり方では乗り越えられないこともあるということです。
1週間前にテレビである女優さんがご結婚されてご出産されて、こういうことを話していました。「妊娠をしたときに女優をして頑張ってきたキャリアがやっとここで使えるだろう。きっと出産しても、どんな大変なことがおきても、きっと乗り越えられるだろうと思っていた。でも実際、子どもを産んでみたら、母親というチャンネルは全く違うチャンネルで、もう想像もつかなければ、経験が使えるというものではなかったんです。」という非常に印象深い話をされていました。今までとは違うやり方、新しいやり方が必要になったということだと思います。そして、私が働く女性の方に話をさせていただくのは、いろんな事が日々起こってくると塊(チャンク)が膨らんでいくので、チャンクダウンする。一度分割してみて、これはなんとかなるのか、どうにもならないのか、何かの手をかりれば、なんとかなるものなのか、一度塊を分割してみて、優先順位付けする。そのようなことをオススメさせていただいています。そして、これまで話をしていた通り自己理解。何を大事に仕事をしていきたいのか。「WHO AM I?」ということで、自分がどんな人間なのかをぜひ考えていただければ良いのではと思います。

ちょっとだけ、先をイメージしてみるという所ですが、これは、私が面談をしている時に遭遇するケースです。特に、会社勤めをしていると、半期に1回評価の面談など上長との面談があると思います。その時に、〇〇さんは1年後どんな風に働いていたいと上司から聞かれます。この時間軸ですね。出産や産休・育休明けのときは、ちょっとだけ先1か月後こんな風になってたらいいなとか、あまり先を見たりしないでちょっと先をイメージしながら、先ほどのハイドリーム・ロードリームを考えられてはいかがかと思います。出産する前や職場に戻った後だけではなくて、働く女性が転機を迎えた時にもう一度、自分のリソースをぜひ確認していただきたいと思います。

何か絶対無理だとか、絶対できないと思っても、上司に相談すればもしかしたら解決するかもしれません。ベビーシッター制度を取り入れている会社も一部あるようなのですが、それだけではなくて、外部機関とか家族とか、あとは解決しないかもしれないけども、話を聞いてもらうだけで、人間は気持ちが軽くなります。もう一回、自分が元気になれそうなリソース、仕事を続けたりライフキャリアを進めていくために何か有効なリソースを点検していくことをオススメしていきたいです。

なかなか、転機にたった時の決断は、これでいいのかと悩みます。絶対ではなく、柔軟に自分のライフキャリアを見ていただければと思います。キャリアを勉強なさったり、資格をお持ちの方は、「プランドハプスタンス」というセオリーをご存知だと思います。クランボルツが提唱した理論ですが、自分のキャリアの8割が偶然をもたらすものである。
きっちりきっちり決めてても、私たちは1人で生きているわけではないので、いろんな偶然からキャリアの8割はもたらされている。だからと言って、棚ぼただったり、漂うばかりではだめと言われてる。
これしかないとは思わずに柔軟的にプランドハプスタンス、偶然をも少し楽しむ感じで自分のキャリアをとらえていただけると良いのかなと思います。

なぜ転機の時にライフイベントの時に悩むのかというと、きっとそれは自分の人生を豊かにしたいから、投げやりになってないから悩むのだと思います。
ですので、キャリアデザインという仕組みを使って、ぜひ自分自身の豊かな楽しみのある人生や生活をおくることに取り組んで頂けたらと思います。

自分自身が自分のキャリアプランナー

今はいろいろ社会的な基準というのがあります。非常に世の中が変化しています。誰かの基準だけでは、なかなかキャリアを積んでいくことが非常に難しくなってきています。
女性の場合は、ライフイベントが多いので、先のことを描きづらいと思うのですが、誰かの基準ではなくて、自分自身が自分のキャリアプランナーだと思って、自分のライフイベントと対峙をしていただきたいと思います。いろいろと時代が混沌していて、変化が激しい。今、この時だからこそ、キャリアについてもう一度、ライフイベントを控えている女性、さなかにいる女性に、ぜひ考えて頂きたいと思います。自己理解というところでは、やはりキャリアアンカーというところが取り組みやすいのかなと思います。何に自分が夢中になるのか、自分が今のその生活、子どもがいるとか、役割が増えたりとか、親の介護があるだとか、いろんな役割の中で自分が出来ることはなんなのか。自分が大事にしたいことは、何のなのか。
このあたりはよく面談の中で一緒に考えていただくと多くの女性が取り組みやすいと言っていただいています。

もう一つ、こちらを働く女性に送ります。『Like a girl 』P&Gさんが作った動画です。Youtubeでもご覧になれるので、ぜひご興味ある方はご覧いただきたいと思います。内容は「女の子のように走ってみてください。」というプロモーションをP&Gさんがある機会におやりになられたそうです。「女の子のように走ってみて」というと、男性であっても、女性であっても、内股だったり、なよなよと走ったりする表現をする人が多かったそうです。本当は、Like a youなのです。あなたらしく走ってと。多くの女性が元気よく快活に走った、そんなことが表現されています。女性ならではのライフイベント・ライフキャリアというのはあるのですが、1人1人おかれている環境、大事にしたい価値観、使えるリソースが違います。女性なのだから、妻なのだから、母なのだから、そういったところにとらわれすぎず、自分のキャリア、自分はどういう風に生きていきたいか、どうありたいか。ぜひ、そういった視点で、お考えをいただければと思います。なかなか、自分の選択に自信を持つことが厳しいとは思います。もし、仮にそれが、なんとなく、自分と予想していたものと違う状態になったとしても、想定外だとしても、それがきっと女性として、自分にとって素晴らしいキャリアにつながる。そのような気持ちで過ごしていただければと思います。では、非常にちょっと駆け足で短い時間だったのですが、私からの女性としてのライフキャリア、キャリアを築くにあたってという話は終わらせていただきます。

※後半の座談会は、5月下旬頃に更新予定です。

講演者プロフィール

Career Park(キャリア・パーク)代表
根本 暁美 様
2級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)JCDA会員(CDA)
企業での人事、営業部門、マネジメント業務に従事した経験を踏まえ2005年よりキャリア支援業務を行っている。 主に企業でのキャリアコンサルティング及びキャリア支援フレーム導入へのコンサルティング、組織の活性化について支援を行っている。また、若年層を対象とした活動としては、主に大学でのキャリアデザインプログラム開発や講師として従事している。自身の女性管理者としてマネジメント経験や女性の職域を拡大する業務に携わったことから女性の多様性ある働き方への支援業務にも注力している。支援のモットーは自分の意思でトランジションを選択、行動できるようサポートすること。