「ISO(国際標準化機構)」は、1947年に設立されたスイスの法人格を持つ非政府組織です。
国家間の製品やサービスの交換を助けるために、標準化活動の発展を促進すること、知的、科学的、技術的、そして経済的活動における国家間協力を発展させることを目的にしています。
会員数は、2011年現在で162ヵ国(正会員+準会員)、約18,500規格を保有しています。
グローバル化が進む中で、近い将来、皆様が海外市場にアクセスする時、たとえば中国やインド、インドネシアといった国々に教育サービスを広げていこうとした時や他国において教育サービスの国際調達が実施される場合は、教育訓練サービス分野の「ISO」が活用される可能性が高いと思われます。(WTOにおけるサービス貿易の影響)
最初に学習サービス規格が提案されたのは2006年11月のことでした。
教育サービス分野の国際化を検討しようということでドイツが幹事国(幹事長)となり、第232番目の専門委員会(ISO/TC232以下TC232と略記)ができました。
また、国内審議会の設立に関しては、2007年12月にTC232国内審議委員会の第1回会合を開催。
その後、3年余りの歳月をかけ2010年9月に教育サービスの国際規格が制定され、「ISO29990(名称:非公式教育・訓練における学習サービス-サービス事業者向け基本的要求事項)」という規格番号が付与されました。
「ISO29990」が普及すると、学習サービス事業者、受講者(企業を含む)ともにメリットが考えられます。
学習サービス事業者は、規格が提供する質の高い専門的な業務及びパフォーマンスのための汎用モデル及び共通の枠組みを用いることで、自社が提供する学習サービスの品質向上、ISO標準を提供することによる顧客の信頼度向上、グローバル化への対応(市場拡大、競合との差別化)、学習サービス事業者の継続的な体質改善があり、受講者(企業を含む)には提供を受けるサービスの品質向上、学習産業に関わるトラブルの減少、学習サービス事業者選択の指針などといった利点が考えられます。